ディアブロ3プレイレビュー 第23話
その異分子は、突如俺の前に現れた。
※いきなり“kadomanの仇”となっていますが、スクショがなかなかうまく撮れないので、別の機会に撮影したものを使っています!w
「……ん? な、なんだコイツは……」
時空を切り裂き、無理やり俺の世界に入り込んできた異形の者--。この存在が他のモンスターとまったく違うことは、一瞬にして全身に発生した鳥肌が教えてくれた。
「え? な、なに? コイツ……怖いんだが……」
異形の者が味方でないことは、火を見るよりも明らかだった。そこで俺は冷や汗が浮かぶ指を動かし、異形の者に攻撃を加える。
「な、なんだオメーは!! いきなり人の世界に入ってきやがって!! 一瞬で片付けてやるわ!!!!」
ここまで激戦を潜り抜けてきたクルセイダーとして、どうにか絞り出した懸命の虚勢。
「うぉらああああ!! やってやらああああ!!」
我がクルセイダーの手から放たれたハンマーが異形の者に着弾したとき、初めてその存在の名前が表示された。
宿敵--。
宿敵は、突如として現れる
「しゅく………て……き……?」
あまりにもシンプルで、驚くほど効果的な恐ろしい名前。この名前を見た刹那、再び俺の身体を鳥肌が覆った。そして……自分がなすすべもなく倒される姿が脳裏をよぎった瞬間、宿敵と名乗る異形の者が猛烈な咆哮を放つ。
「おおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!」
気が付いたときには、クルセイダーのまわりに無数の赤い電撃が渦を巻いていた。
エリートモンスターたちがときたま青い稲妻のボールを放つことがあるが、宿敵が発生させたそれは真っ赤な血の色。まるで、
「いまからキサマは、その色に染まるのだ」
という死の宣告を突き付けられたような気分にさせられてしまう。
それでも俺は、収まらない鳥肌を敢然と無視して、宿敵に躍り掛かった。
「な、何が宿敵じゃコラァァァアアアア!!! やってみろや!!!」
機先を制した……つもりだった。自慢のファランクスに四方を封じさせ、会心のボンバードメントと天の怒りをぶち込んでやった……つもりだった。しかし天から降り注ぐボンバードメントが着弾する前に、目の前にいた宿敵は、
ヴンッ……!
と眼前から消え失せ、「え!?」と思ったときには俺の背後に……! 俺は瞬時に(やばい!!!)と察知し、クルセイダーのリーサルウェポン“アカラットの王者”を本能的に発動させていた。たったの20秒間だが、アカラットの王者を使ったクルセイダーは鋼鉄の身体にビルドアップされ、攻撃力が激増する。クールダウン時間が90秒と長いので、ふだんはボス戦以外ではほとんど抜かない“伝家の宝刀”だったが、宿敵の放つ強烈な殺気が、俺にボタンを押させたようだった。
でも、これで負けることはない。アカラットの王者になったクルセイダーに、死角はないのだ。体格的にも、宿敵の巨体に引けをとらないものになっているし。ここぞとばかりに、俺は吠えた。
「宿敵だか何だか知らないけど、ここまでだぜ! 変身したクルセイダーに、勝てると思うなよ!!!」
言うや、俺は再び宿敵に襲い掛かった。
「一瞬で消し炭にしてやる!!!!」
そう誓って--。
しかし……。
わずか数秒で消し炭にされたのは、それまで無敗を誇ったアカラットの王者だった。俺の死を確認した宿敵が、せせら笑うように消え去る瞬間に見えたHPは、ほとんど削れていなかったと思う。完敗……。これ以上ないくらい、完膚なきまでに叩き潰されてしまった……。
このとき俺は悔しさよりも、恐怖と情けなさでいっぱいだった。
「な、なんなんだよアイツ……。いきなり時空を割って現れ、好きなだけ暴れて、リベンジの機会も与えずに消え去るとか……」
『北斗の拳』のラオウか、はたまた『バキ』の範馬勇次郎か、『ドラゴンボール』のフリーザか……。
かつて、「主人公たち、絶対に勝てないわwwww」と思わせられたキャラクターを想起させる、宿敵の放つ“強者の気配”。そして実際、この日を境に宿敵はたびたび俺の前に現れ、暴虐の限りを尽くすことになるのである。
これが現在も続く、宿敵“ネメシス”との激闘の序章である。