【モンハンワールド】逆鱗日和 第9回:まだゲームは始まらない
ついにこの日がやって来た……!!
待ちに待っていた『モンスターハンター』の新たな提案、『モンスターハンター:ワールド』の発売日じゃぁぁあああ!!!
……って突然ですが、大塚角満です。なんでスマホアプリの専門メディアであるファミ通Appで、家庭用ゲーム機のプレイ日記を書こうとしているのか? 少々説明が必要かと思います。
いままで僕はファミ通.com上で『モンハン』シリーズのプレイ日記“逆鱗日和なブログ”を展開してまいりました。初代『モンハン』が発売されたときからやってきたので、その歴史は10年以上に及びます。
そのころからずっと、同じブログシステムを使って書いてきたんですけど、これがもう……化石のように融通が利かず、いまどき記事更新のお知らせをTwitterに連動させることすらできないのです!!(バァン!) さすがにそれはないだろうということで心機一転、『モンハン:ワールド』のプレイ日記に関してはファミ通App上で連載させてもらうことにしました。動画を貼るのも、こっちのほうがやりやすそうだからなー。
さて。
それにしても、この焦りと緊張感はなんだろう……? 『モンハン』シリーズの新作発売時にいつも湧き出てくる不思議な感情なんだけど、なんかこう……居ても立ってもいられなくなるんだよな。この感情に起因するのは、
「出遅れたくない!」
「誰よりも先にいろんなものを見たい!」
「もっともっと知りたい!」
なんていうワガママな思いなのはわかっちゃいるんだけど、この気持ちをコントロールするのはなかなかにして難しいことである。だって……こういう世界観が深まった『モンハン』を、ずっとずっと待っていたんだから! この昂る気持ち、まったく抑えが効かないので、今回は発売された瞬間から遊びまくって、トップランナーとして全世界のハンターを牽引してやるぜ!!
……と、思っていた時代がボクにもありました(遠い目)。
このように思いが非常に強かったので、俺は初めて、パッケージ版ではなくダウンロード版のソフトを予約した。……まあ、βテストを遊んでいたときに事あるごとに“ダウンロード版の予約はこちら!”というお知らせが出て、
「わかった!! もうわかったから!! 予約するよ!!」
と根負けしたことも大きいんだがな。
ダウンロード版の最大の特典(?)は、2018年1月26日に日付が変わった瞬間から『モンハン:ワールド』の世界に飛び込めることだ。パッケージ版が店頭に並ぶのが午前7時だとすれば、わずか7時間の先行スタートに過ぎないけど、前述の“誰よりも先に!”という欲求を満たすにはダウンロード版で1歩先んじるしかない。なので今回はこの判断を“是”としたのである。
「わーいわーい! 日付が変わったその瞬間から、俺は『モンハン:ワールド』の世界から出てこないぞ!!」
俺の脳裏に、マラソンがスタートしてから3分くらいだけぶっちぎりのトップを走るランナーの姿がひらめいた。このランナーはまもなく、ほぼ間違いなく集団に飲み込まれ、その後名前も姿も忘れ去られてしまう。しかし……今回の俺は、そうはならぬ。スタートからダントツのトップを走り、そのままゴールまで駆け抜けてやる!!
……と、思っていた時代がボクにも(以下略)。
その日、俺は同僚の中目黒目黒に、以下のように言われていた。
「日付が変わったら速攻でログインして、1回目の『モンハン:ワールド』生配信をしましょうよ! これからは“読む逆鱗日和”だけじゃなく、“観る逆鱗日和”もやっていきますよ!」
古くからの『逆鱗日和』の読者の方はご存知かと思うが、目黒は俺といっしょに無印(初代モンハン)のときからプレイをしていて、“へっぽこ3人組”の名称で活動していたことがある。テキトープレイの権化とも言える男のため、序盤の何話かに出てきたと思ったらすぐに消息不明になる……ということをくり返してきたが、こと『モンハン:ワールド』に関しては気合の入りかたが違った。
「大塚さんといっしょに、俺も突っ走りますよ! “へっぽこ3人組・シーズン3”の力を見せてやりましょう!」
なんて、鼻息を荒くしていたのである。
こんな約束があったので、その日は早めに帰宅した。そして午後11時半。やる気に満ち溢れていた俺は、
「まだ30分前だけど……もうプレイステーション4の電源入れちゃおうw 湧き上がる情熱を抑えきれぬ!!」
そうつぶやいて、プレイステーション4の電源を入れたのであった。
立ち上がった画面を見ると、プレイステーション4のメニューの中に早くも『モンハン:ワールド』のアイコンができていた。うんうん。そうでしょうそうでしょう。ダウンロード版を買ったんだもんね、わし。日付が変わったら、すぐに遊べるけんね。
「ウケケケケ!」
気持ち悪く笑いながらそのアイコンを眺めると、“プレイ開始まで、あと21分”なんて文字まで表示されているではないか。おお……! これはワクワク度がアップするなあ! ダウンロード版、悪くないなあ!
そして俺は何の気なしに、そのアイコンを選択した。「まさか、フライングで遊べる……なんてことはないよなあwww」と軽薄に笑いながらの、本能的な行動であった。
しかし、すぐに現れた以下の画面が、俺を現実に引き戻す。これが……悪夢の始まりであった。
ん??
何を言ってんだこの青画面は。“アプリケーションをダウンロード中です”ってのは、まあわかる。その下の、“残り80分”ってのは、いったい何の間違いだ???
「残り8分じゃねえの……???」
わけがわからぬまま呆然としていると、ボイスチャットのイヤホンから聞き覚えのある声が聞こえてきた。目黒と、『みんなのGOLF オンライン』時代からのゲーム仲間、バキ(♀)の声だ。
「お疲れ様です!」と目黒。「角満さん、やっほー」とバキ。俺はふたりに動揺を隠しきれない声色で返事をした。「あ、あふ……」。敏感に異変を察知したのはバキだった。
「ん? 角満さん、どうかしたんですか? あと数分で『モンハン:ワールド』で遊べるというのに!!」
俺はさりげなく、ふたりに言った。
「あ、あのさあ。ふたりもいま、データをダウンロード中なんだよね? それも……80分とか90分とかのw これじゃあすぐに遊べないじゃんねーww やっぱ混んでるんかなあwww」
ふたりは同時に「はあ!?」と吐き捨てた。
「え!? とっくにダウンロード終えてますよ!!」とバキ。「なにやってんすか大塚さん!! 生配信できないじゃないっすか!!」と目黒。その口調は、鬼の首を取ったかのような強いものだった。そうか……。そうだったのか……!>< もうみんな、事前にダウンロードを終えていたんだな>< でもそうだよな>< データがデカいのはわかっていたんだから、先行でやっておくものなんだよな><><
「す、すまん……。油断していたよ……。あと……78分だって。俺は今日は、いっしょに遊べないわ……」
沈痛な声を出す俺。でも、ふたりは収まらない。
「もー! なにやってんすかー! いっしょに始めたかったのにー!」
とバキが言えば、
「まったくっすよ! どうしてくれるんですか!!」
と目黒が同調する。もう、完全に針の筵。俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
ところが、バキがさらに「角満さん、モンハンの伝道師なんだから、しっかりしてくださいよー」と言ったところで、目黒が「!!」と息を飲んだのが聞こえた。バキが「ほら、目黒さんも怒ってやったほうがいいですよ」と煽っても、
「う、うん」
と歯切れが悪い。でも俺はさして気にせず、ふたりに気を遣ってつぎのように言った。
「俺のことは放っておいていいから。もうふたりとも行けるんでしょ? 遊んできなよ。俺は明日から参戦するからさ」
バキが「目黒さん、そうするー?」と尋ねると、目黒は意外な反応をした。
「え? あ、いや、やっぱ俺は、大塚さんといっしょにいくよーw 無印のときからそうしてきたからサ。そこはホラ、盟友としてネ。あ、足並み揃えないとサ……。ハハ」
怪しさ全開。こういうときは、絶対に何かを隠しているのだ。思い切って、俺は目黒を質した。「オマエ……何か隠してない?」と。すると目黒は再び「!!!」と息を飲み、おずおずとつぎのように告白したのである。
「あああ、あの……! どうやら俺も、ダウンロードしてなかったみたいで……!!」
バキが本格的にズッコケた。「ええええ!? 何やってんすかふたりとも!!」。俺は(やっぱりな)と思いつつ、つぎのように畳みかけた。
「なんだよ!w あと何分くらい? 俺と同じくらい??」
目黒はしばしの沈黙のあと、衝撃のひと言を発した。
「く、くじかん…………!wwww」
「へ……?」とバキ。「くじ…………っ!」と俺。人間、驚きすぎると声が出なくなるんだなあ。
「ねねね、ね! ほら! 大塚さんもできないことだし、明日の夜に仕切り直しましょう!! いやあ、驚いた! まさか大塚さんがダウンロードしてなかったなんてね!!」
ここでようやく、俺とバキは声を揃えることができた。
「9時間待ちのオマエが言うなぁぁあぁあああ!!!!!」
というわけで、長くなりましたが、今日の夜(1月26日夜)から本格始動です!w ちょいちょいここで書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!