『ラピス・リ・アビス』プレイレビュー その2
年末年始の大作ソフトラッシュの前……。
ほんの腰掛のつもりで触ったソフトだったのに……!
正直ヒマつぶしくらいのつもりだったのに……!!
「なんでこんなに遊んでんだ俺はーーーー!!!www」
……と、日々不思議な葛藤と戦うハメになってしまったソフト。
その名は、そう!! 日本一ソフトウェアの『ラピス・リ・アビス』ですよダンナ!!
もうこれ、ホントのホントに大穴だったわ。知らないところからスッと現れて、
「うわ!! いたんだ!!」
と思わせられてしまったよ。
こういうゲームのことを、今後は“盲点ゲー”と呼んでいきたいね。そういう意味で『ラピス・リ・アビス』は、盲点ゲーの権化だわ。
意外なほど(失礼)、奥が深かった!
以前書いた『ラピス・リ・アビス』のレビュー記事、驚くほど多くの人に読んでいただいた。
その中で俺は結論として、
“『ラピス・リ・アビス』というゲームは、パラメーターの数値のほとんどを“爽快感”に振ったRPGである”
と書いている。
その思いは、基本的にいまも変わらない。くり返しダンジョンに潜ってはめったやたらと敵をブッタ斬り、金貨や各種アイテムをバラ撒かせては喜んでいるからな。
でも“基本的に”と書いたように、プレイ開始当初では見えていなかったものがいろいろと見えてきてしまい、そこまで無邪気に「わー! 爽快だー! 気持ちいいなーわーい!!^^」なんて言えなくなってきている。いや、もちろんいい意味で。俺が思っていたよりも、『ラピス・リ・アビス』はずっと底が深かったのだ。
第2階層の途中で……詰まった!!(はや!)
前回の記事は、ゲーム序盤のダンジョン第1階層をクリアーしたあたりで書いたと思う。装備のことなんてほとんど考えずにテキトーに武器をブン回し、ピンチになったらエクストラオーダー(必殺技みたいなもの)を出して急場をしのいで、無敵のフィーバーモードでストレスを発散する……。こんな脳筋な遊びかたでも簡単にクリアーできたし、なおかつ楽しかったのである。
ところが。
大手を振って第2階層に進み、「ここもまだ序盤だろ?? 余裕余裕wwwww」とダンジョンに入ったところで妙なことが起こった。
なんか知らんが、全滅したのである。
「……あれ? おっかしいな。バグか??」
本気でそんなことを考えながらも、「ま、いっか。もっかいやろ^^」とニコニコ顔で再チャレンジしたのだが、なんとそこでもゲームオーバーになってしまったではないか。ここにきてようやく、俺の頬を汗が伝った。
「また、ちんだ……。……え? これってもしかして……詰まったのか俺???」
自分がドツボにハマってしまったことを認めたくないがために、
「もしかしたら、パーティーメンバーが第2階層に合っていなかったのかも^^;;」
なんて言ってメンバーを総とっかえして臨んだが、そこでも一瞬で全滅。ここでついに、俺は白旗を上げた。
「だ、ダメだこれ……! まったく歯が立っていないんだ……!」
そして、つぎの決断に至る。
「気持ちいいばかりのゲームじゃなかったんだなコレ……。でも、わかった。ここからはふつうのアクションRPGと同じく、キャラ育成をがんばろう!! くり返し同じダンジョンに潜って、パーティーレベルを上げるんだ!!」
というのもこのゲーム、ギルド商会で探索依頼を受けてダンジョンに潜る……という流れになっているんだけど、その際にギルドの受付嬢が難度の目安を教えてくれるのだ。
↑このように、その探索ルートに出現するモンスターのレベルを知ることができる。単純に考えれば、モンスターのレベルよりも自身のパーティーレベルが上なら、
パーティー>>>モンスター
という強さの序列が成立するわけで、ハマってしまったダンジョンも容易にクリアーできるようになるはずなのだ。
加えて『ラピス・リ・アビス』は、ハック&スラッシュでもある。ダンジョンで手に入るアイテムの強さはランダム抽選で決まるので、ふいに、とてつもなく強いレジェンドクラスの武具が拾えてしまうかもしれない。
これもあるので、同じダンジョンに潜ることに抵抗はまったくなく、むしろ、「もう1回! もう1回!」と大塚愛のようなことを言って再チャレンジしたくなるのである。
壁は低くはなかった
しかし結果から書いてしまうと、そのダンジョンに出現するモンスターのレベルより、5レベルくらい上に育てたパーティーで臨んでも、探索は安定しなかった。
……ていうか、余裕で死ぬ!!www めっちゃキツいよこのゲーム!!!
俺は驚いた。これほどかわいさと爽快感をウリにしているゲームなのに、序盤も序盤の第2階層ごときで足止めを喰らわされるなんて……。
そして、思ったのだ。
「……俺、絶対にやり方間違えてるわ。こんなムズイわけがないのだ!!」
だってこのゲーム、本格的にいろいろなことができるようになるのは第2階層をクリアーした後なんだもの。そこまでいかないと武器の改造もエンチャントもまともにできず、ただダンジョンでアイテムを拾ってくるだけのゲームで終わってしまうのよ!!
「よし、一度落ち着いて、拠点をくまなく回ってみよう。必ずや、見落としがあるはずだから」
俺は改めて、拠点にいる人々に話し掛け始めた。
そして。
……すぐに見落とし発見^^;;;;;
↑この交換屋なんだがね。売っているものがやたらと高価だし、現時点では使えない素材なんかを置いているので、
「なんだここwww ぜんぜん使えねーじゃんwwww」
とバカにして通り過ぎるばかりだった。しかしよく見るとここで、装備コストの上限を解放してくれるアイテムを売っているじゃありませんか!!
じつは俺、装備コストがすぐに限界に達してしまっていたため、
「武器と防具、どちらかしか装備できねーぞ。となればもちろん……武器を選ぶよなあwww」
と下卑た笑いを浮かべて、武器以外の装備はいっさい身につけず、つまり素っ裸でダンジョンに潜っていたのだ!
……ダメージを喰らうわけや!! 死ぬわけや!! でもここで装備コスト上限を解放しておけば、身を守る防具も身に着けることができるぞ!! は、早く言ってよぉん!!
すぐに、フル装備。
すると。
いままでゲームが進まなかったのは悪い夢だったんだとばかりに、あっっっと言う間に第2階層をクリアーしちまったよ!!www
教訓! 装備はキチンと揃えましょう!
見た目は派手で斬新だけど、システムの根幹はしっかりとRPGの王道をいっている。素材を集め、装備を整え、適したパーティーメンバーをそろえて初めて、このゲームはダンジョンに潜ることを許されるのだ。どれかひとつでも欠けたなら、『ラピス・リ・アビス』は容赦なく牙を剥く。そういうゲームなのだ。
まだまだ、先は長そう。
でも、このゲームを遊ぶ1日1時間ほどの時間が、いまは楽しみでならない。がんばって、エンディングまで突き進もうと思います。