【モンハンワールド】逆鱗日和 第20回:誰の手柄?
当ブログの第14回“相棒がやってきた”の回でご報告したが、遅ればせながら“同僚の美人ドSゲーマーTさん”こと“たっちー”が集会所で合流した。
近年の『モンハン』ではたっちーを相棒に据えてクエストやらタイムアタックやらをやってきたので、俺としてはようやく、“『モンハン:ワールド』に臨む準備が整った”という感じがした。
しかし、俺が先行したのは3日ほどだったが、生粋のハンターにとっての3日はとてつもなく“巨大な時間”である。ハンターランクに差がつくことはもちろん、装備の充実度に大きな隔たりができる。合流した当時、俺のガンランスが斬れ味鋭い真剣だとすれば、たっちーの双剣は、ひなびた温泉街の土産物屋で売ってる竹光(たけみつ)くらいのものであった。
そんなたっちーがあるとき、こんなことを言ってきた。
「なんか、白いヘビみたいなヤツを倒せないんだが、どうすればええんや?」
俺はつぶやいた。「ははぁ。トビカガチに手こずってるんだな」。
これは、想定内の出来事だった。きっとトビカガチで最初の壁にぶつかるだろうと、実体験を踏まえて確信していたのである。
誤解を恐れずに言うが、この白い電光のモンスターは、“最初にハンターの足を止める存在”として古代樹の森に配置されたのではないか? と思っている。ハンターは熟練すればするほど、
「下位とか、初期装備で駆け抜けるものっしょwww」
とふんぞり返り、危機感なくフィールドに飛び出していくが(俺もそうだった)、そんな天狗の鼻を「ボキリッ!!」と思いっきりへし折ってくれるのが、序盤の序盤に現れるトビカガチなのである。このモンスターの“怒り尻尾ビタン”をまともに喰らったら、おそらく初期装備では1発昇天(もしくは瀕死)。
「ならば、喰らわなければいい!」
とかっこつけたところで、トビカガチは俊敏なフットワークからハンターの死角に回り込み、たびたび躓かされて雷属性やられにされるという、つねに昇天と隣り合わせの立ち回りを余儀なくされてしまう。そして、
「くっそ!! いやらしい動きしやがって><」
なんてストレスを溜め込むうちに集中力が切れ、気が付けば気絶のフラフラ状態にされて万事休す--。この流れで俺も、トビカガチとの初戦では、3オチぎりぎりのところまで追い詰められてしまった。
俺は、「白ヘビ白ヘビ……」とうわ言のようにくり返すたっちーに、やさしく返事をした。
「わかったわかった。トビカガチな。こいつ強いけど何回か回して、素材集めて防具作ればいいよ」
たっちーは狂喜乱舞した。「うおおおおお!! それやそれ!! やったるでええええ!!」。
というわけで、たっちーとふたりでトビカガチマラソンをすることになった。このとき、俺はすでに上位装備だったので、よっぽど油断しない限りはやられることはないだろう。
そして実際、狩りは俺中心に回った。下位でも強いトビカガチだが、上位装備相手では荷が重いらしく、クエスト開始から10分ほどで討伐に成功する。
「ふっwww たいしたことなかったなwww」
豪語するたっちー。かなりの手応えがあったようだ。しかし、クエスト後に出る“貢献度”の画面を見て、一気に不貞腐れてしまう。そこに表示されたのは俺の名前のみで、“乗り名人”やら“最大ダメージ”(だっけ?)やら、ポジティブな称号がズラリと並んでいたから。
「わしの名前、ひとつもなかった……。まるで、働いてないみたいやんけ」
いじけるたっちー。すぐさまフォローする。
「アレな、気にしなくていいみたいだぜ。あくまでも、目安や」
速攻で、機嫌が戻った。「なんや。先に言えや」。
そしてつぎのクエストでも、貢献度で表示されたのは俺の名前だけだった。再び、たっちーがダークサイドに堕ちた。
「えーんや……。わしなんて、なんも貢献できてないんや。窓際なんや……」
俺は慌てた。
「仕方ないんだってww 俺のほうが圧倒的に強い装備なんだからww 気にすんなww」
そんなやり取りが、3回ほども続いたころだったろうか。ついにたっちーの名前が、貢献度に表示されたではないか! 俺は「よかった!! 本当によかった!!」と安堵し、たっちーに声を掛けた。
「おい! やったな! ついに活躍が認められたぞ!」
しかしたっちー、反応がよろしくない。
|;・`ω・)…………
↑この顔文字を送ってくるばかりである。「ん?」と思って、貢献度をよく見ると……。
“たっちー 痕跡コレクター 痕跡をたくさん集めた”
「………………」
言葉を失くしている俺に、たっちーがおずおずと申告した。
「まったく狩り場に行かず、隠れて採取ばっかしてたことをバラされた……!!!」
狩りで活躍するのは、もうちょっと後のようで……w
おしまい。
『モンスターハンターライズ』プレイ日記 逆鱗ぶいっ! Vジャンプレイにて連載中!