【ドラゴンズドグマプレイ日記2】『ドラゴンズドグマ』は、巨大な名画だった

大型連休は……スイッチ版『ドラゴンズドグマ』で

いよいよ始まりましたな!! 平成の最後と令和の最初を彩る10連休が!!

かくいうワタクシめは、平成の終わりだけ休日としてのんびりと過ごし、令和の始まりとともにバリバリ仕事というね……w それでも4、5日は休めるので、その間は……ゲーム三昧だうぉぉぉおおおおッ!!!

でも考えてみたら、ゲームを遊んでこのような記事を書くことが仕事のひとつでもあるので……ずっと仕事をしているのと同じってことか!! ま、いいけどね。楽しいからね。

そんなゴールデンウィークで、俺がメインで遊ぶゲームはもちろん、買ったばかりのNintendo Swicth版『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』!! かつて何百時間も遊んだゲームだけど、やっぱりスゴイわこれ……。よくぞここまでのクオリティーのゲームを、プレイステーション3で作ったなぁ……と感心させられてばかりですよ……。

さて、Nintendo Swicth版は始めたばかりなので、今回は2011年9月に書いた“ある記事”を公開したいと思います。

日本で初めて『ドラゴンズドグマ』の試遊台が設置された東京ゲームショウ2011。そのときに遊んだ感想をまとめた記事になります。この後、単行本にまとめるくらいたくさんの『ドラゴンズドグマ』プレイ日記を書くことになるわけですが、その記念すべき“1本目”がこの原稿ってわけです。個人的にも気に入っている記事なので、Nintendo Swicth版についてアレコレ書き始める前に、まずはこちらを掲載したいと思います!

ドラゴンズドグマ

『ドラゴンズドグマ』は、巨大な名画だった

※この記事は、2011年9月16日に公開されたものです。

ついに開幕した東京ゲームショウ2011。毎年のことだが、ファミ通.comのトップページには早くも無数の記事がアップされている。さすが、日本最大のゲームイベントはスケールが違う。

さて今回の東京ゲームショウ、俺的に超楽しみにしていたコンテンツが3つあった。

まずは何を置いても『モンスターハンター3(トライ)G』。こいつに触らなければ始まらないでしょう。

続いて新ハード・PlayStation Vita。「とくにこのソフトをやってみたい!」という気持ち以上に、「出展されている対応ソフト、全部やりたい!」って感じ。(※シツコイが、8年前の記事です)

そしてこのふたつに並ぶのが、カプコンが放つ和製オープンワールドアクション『ドラゴンズドグマ』だ。海外のゲームイベントには何度か試遊台も展開されていたが、お膝元の日本でお披露目されるのはこれが初めての機会。本当に、満を持しての出展だ。俺は、朝イチから大行列が発生していた『3(トライ)G』のブースをヨダレをたらして見つめながら通過し、同じ並びにある『ドラゴンズドグマ』の体験コーナーに並ぶ。こちらも、俺が行ったときには30分待ちの行列ができていたが、気にせずに“PS3版”の最後尾に。まもなく、アテンドの女の子から操作説明書が手渡された。

説明書を見ると、今回のゲームショウで遊べるのは、広い平原を舞台にしたグリフィン戦と、ダンジョン内でのキメラ戦の2種類とのこと。それを見て、俺は瞬時に思った。

(このラインアップは、6月のE3に出展されていたものと同じだ)

俺はキメラ戦もグリフィン戦も、E3の会場でくり返し遊んだ。隙を突いてはカプコンブースに接近し、どちらも5回ずつくらいは遊んだはずである。カプコン関係者以外でこれほど『ドラゴンズドグマ』をプレイした人間は、世界中を捜し歩いてもなかなかいないのではなかろうか。

おとなしく30分待ち、俺は『ドラゴンズドグマ』の試遊台に案内された。すると、制限時間14分以内だったら好きに遊んでいいよと、アテンドの女性に告げられる。ナルホド。14分か。かなりたっぷりとしたプレイ時間でうれしい限りだったが、E3での経験上「キメラ戦、グリフォン戦のどちらかを遊んだら終わりかもしれないな」と思う。そこで俺は、より難度が高いと思われるキメラ戦を選択。ダンジョンへと潜っていった。

プレイが始まってすぐに、画面に仲間のポーンの台詞が踊った。日本語表示である。日本版なんだから当然なのかもしれないが、E3のときはすべて英語表記だったので、ぶっちゃけ何を言われているのかさっぱりわからなかった。でもこれなら、ポーンと意志の疎通が図れる。コミュニケーション最高!! と思ったね。

ポーンたちは、じつによくしゃべった。「この先は気をつけて!」とか「ここは我々に任せて!」というようなことを。言いながら、プレイヤーキャラの覚者を守るように先頭に立ち、暗がりからの不意の攻撃に備えている。その健気な姿を見て、俺は心から思った。

「なんて人間臭い動きをするんだこいつらは……」

『ドラゴンズドグマ』はオフラインのゲームだが、この人間臭いポーンの存在によりオンラインゲームとオフラインゲームの中間のような、一種独特なプレイ体験を味わえる。ここでの肌感覚は、他のオープンワールド系のゲームとも一線を画するところで、プレイした人はきっと驚くに違いない。

そんなステキな仲間たちとともに、ゴブリンやハーピーの大群と戦う。慣れるまでは、ひたすら攻撃ボタンをガチャ押し。それでも非常に小気味よく剣を振り回せるので、気持ちいいったらない。そしてコントローラが手に馴染むにしたがって、ダッシュ、ジャンプ、盾殴り、R1ボタンと攻撃ボタンを組み合わせての特殊攻撃などなど、豊富なアクションをくり出せるようになってくる。これ、文字だけ見てしまうと「操作が複雑なの……?」と恐れおののく人が出てしまうかもしれないが、それほど意識しなくてもこのへんのアクションは簡単に出てくれるので安心していい。しかも、頼もしいポーンが敵を羽交い絞めにして動きを封じたり(このときにトドメの一撃をキメると最高に気持ちいい!)、回復魔法を詠唱して味方をフォローしたり、剣に炎の魔法効果を付与してくれたりと、じつに至れり尽くせりの立ち回りをしてくれるので、ものすごく遊びやすい。ここでも、前述のオンライン、オフラインを超越した独特の感覚を味わえると思う。

そしてとっくに気付いていたのだが、この東京ゲームショウバージョンは、E3バージョンよりも格段に進化していた。キメラ、グリフォンという大型の敵と戦っているときにとくにそう思ったのだが、覚者側とモンスター側の強さのバランス調整がさらに進み、グッと遊びやすくなっている。グリフォンなど、E3のときは上空を飛び回られて手を焼いたものだが、このバージョンでは地上でのやり取りが増えておもしろいったらない。抽象的な表現で恐縮だが、互いの距離感が近くなったからか敵の迫力がさらに増し、“遊びやすくなったのに、より怖い”というものになっている。うーん、ホントにこれ、多くのゲームファンに触ってほしいわ……。

しかし誤解を恐れずに言うなら、『ドラゴンズドグマ』ほどスケールの大きなゲームはこういった試遊には向いていないのかな、とも思う。ネガティブな意味じゃなく、ポジティブな意味でね。本当はもっとたくさん見せたいシーンがあるのに、15分程度の限られた時間を考えると「やっぱりこのへんを切り取るしかないな」ということで、派手な大型モンスターとの戦闘が選ばれるのだろう。これだけでも当然、とてつもなくおもしろいんだけどね。

象徴的なシーンがあった。

ビジネスデイの初日、カプコンのステージで小林プロデューサーと伊津野ディレクターが登壇しての『ドラゴンズドグマ』のプレゼンテーションがあったのだが、そこでのデモプレイのときに伊津野ディレクターがこう言ったのである。

「これがやりたかったがゆえの、オープンワールドなんですよ!」

スクリーンに映し出されたプレイ映像では、靄(もや)でかすんだ遥か遠くの地に、1頭の巨大な怪物がいるのが見えた。ズシンズシンと、地響きを立てて歩いているようだ。それを見て、俺はふつうに悲鳴を上げる。

「うわ! ずっと向こうにヤバそうなのいる……!」

これだ。

この感覚だ!

『ドラゴンズドグマ』はその世界の中で、覚者も、ポーンも、そしてモンスターたちも“ふつうに”生活している。だから、サイクロプス(前述の巨大なモンスターね)の根城に足を踏み入れてしまえば当然ながらヌシはいるし、フィールドをプラプラしていたところで急に、物陰からモンスターが飛び出してきて襲われることもある。このように、モンスターと共存しなければならない世界を“ふつうに”表現できていることが、このゲームの本当にすごいところなのではなかろうか--。靄の向こうにいるサイクロプスの姿を見たときに、そんなことを思った。

思うに、時間を区切られての『ドラゴンズドグマ』の体験プレイは、100平方メートルくらいある巨大な名画なのに、目の前の50センチ四方しか見えていないようなものかもしれない。もしくは、壮大な交響曲なのに「ジャン!」というイントロ一部分しか聴いていないというか……。

それでも、このゲームが名画であり、名曲であるのは必ずわかる。

プレイされる方はどうか、思う存分、度肝を抜かれてほしい。