ゲームのプレイ日記 書き方講座 その2
この企画記事、1回目をアップしたのは……なんと10月10日!! それ以来の更新になりますよ奥さん!!!
いやでもね、聞いてくださいよダンナ(どっちだよ)。
1回目をアップした直後から、ゲーム業界は怒涛の大作ラッシュに陥ったわけ。
たとえば『レッド・デッド・リデンプション2』とか(こっちも更新止まってるけど)、『テトリス エフェクト』とか、プレイステーション クラシックとか、『スマブラ』とか、『JUDGE EYES(ジャッジアイズ)』とかとかとか……。どれも発売前から「絶対にやる!!」と決めていたゲームだし、遊んだら遊んだで記事書きたくなるしで、すっかり他の業務が滞ってしまいました。
「まあでも、しかたないよな~。わし、ゲームするのも仕事やけん。レビュー書くのも仕事やけん」
ヤケンヤケンと念仏を唱えながら事務所のソファーでコーヒーを飲んでいたら、ついにスタッフに雷を落とされました。
「おいテメー!!! ふんぞり返ってコーヒー飲んでるヒマがあったら、“プレイ日記講座”の2回目を書けや!!! あれ、意外にも楽しみにしている人が多いんだぞ!!!」
要所に失礼な単語を織り交ぜながら言われたが、ナルホド。確かにぼちぼち更新しないといけないな!
というわけで、筆をとりました。どうぞお付き合いください~!
プレイ日記は、どんなゲームでも書けるのか?
前回の記事では、“プレイ日記ってなんだ?”という部分に言及しました。
ひと口にゲーム記事といっても、攻略、レビュー、解説、新着情報……などいろいろな種類があり、プレイ日記はこの中では“レビュー・インプレッションに近いもの”と説明しました。
しかし、レビュー記事はどちらかというと“解説”のカテゴリーに近いもの。プレイ日記とは、似て非なる性質を持っています。
では、プレイ日記とレビュー記事の違いはなんなのか? 僕はこの記事の中でつぎのように結論付けました。
“プレイ日記の最大の存在意義は“共感”。読者に、「あるあるwww」、「そう! わかる!」、「マジでそんなことあんの?w」と、まるでいっしょに遊んでいるかのような共感……言い方を変えれば“安心感”を与えることが、プレイ日記の役割”
解説の役割を担うレビュー記事とは大きく違いますが、これに加えてもうひとつ、プレイ日記が“特殊な記事”であることの理由があります。それは、
“すべてのゲームがプレイ日記に向いているわけではない”
ということです。
つぎの項で解説しましょう。
どんなゲームが、プレイ日記に向いているのか?
前の項で、“プレイ日記の最大の存在意義は“共感””と書きました。共感とは読んで字のごとく“共に感じる”ということ。
まるで、いっしょに冒険しているような--。
ともにその場面に出くわしているかのような--。
読者にそんな気持ちを持ってもらえたなら、そのプレイ日記は掛け値なしに“大成功”と言っていいと思います。
これを踏まえて、どんなゲームがプレイ日記に向いているんでしょうか?
……ぶっちゃけ、このジャンルの記事は好きなように書くのがいちばんいいと思っているので、結論から言ってしまうと、
「なんでもいいと思う!!」
なんですけど(身も蓋もないけど)、やっぱり“プレイ日記に向いているゲーム”は存在します。
もっとも適しているのは、“オンラインゲーム”です。MORPG、MMORPGなんて、“プレイ日記を書くために作られたゲーム”と思ってもバチが当たらないくらい、ジャストフィットします。
その理由は言わずもがな、“共感を得られやすい”から。ゲーム自体が、
“他人がゲーム内の自分の人生に介在し、いっしょに遊んだり、戦ったりできる”
という設計上、非常に感情移入がしやすく、かつ、同じような経験をしている人が無数にいるので、「あるある!」を生みやすいです。
そしてもうひとつ、これは章を改めて詳しく書こうと思っていますが、プレイ日記の最大の調味料は“いっしょにゲームを遊んでいる他人”であり、いろいろな人と関わることで些細なことも大きなコンテンツに育つことがあるので、非常に記事にしやすいのです。
僕の例で言うと、『モンスターハンター』シリーズがまさにコレでした。自分自身のこともたくさん書きましたけど、それ以上に、いっしょに狩りをしていた中目黒目黒、江野本ぎずも、たっちーなんかの突拍子もない行動を見て、笑い、
「これはすぐさま記事にして、全国の人に読んでもらおうwww」
となったんですよね。
このほか、ファミ通時代の僕の先輩である永田さんが書いていた『ファイナルファンタジーXI』のプレイ日記や、いま多くの人が書いている『ドラゴンクエストX』のプレイ日記も、オンラインゲームという最高の素材を使って綴られているものです。どれも「あるある!」を生み出す、すばらしいものだと思います。
オンラインゲームじゃなくても、プレイ日記に向いているジャンルはあります。駆け足になりますが、ざっと解説しましょう。
プレイ日記向きのゲーム1:サンドボックス
『マインクラフト』に代表される、フィールドにあるものを使ってモノを作ったり、敵と戦ったりする新進気鋭のジャンル。自由度が非常に高く、プレイヤーのスキル次第でとてつもないものを作ったりできるので、建物を建築したときの詳細や、その日の作業を綴っているだけで十分おもしろいものが書ける。
プレイ日記向きのゲーム2:オープンワールド
サンドボックスと同様、めちゃくちゃ自由度が高いジャンルがオープンワールドだ。メインストーリーに枝葉のようにぶら下がっているサブな出来事が膨大にあり、まるでオンラインゲームのようにプレイヤーの思うまま遊ぶことができる。アイデア次第でいろいろな遊び方ができるので、それを書いているだけでも連載に耐えうる。
プレイ日記向きのゲーム3:ローグライク系
ローグライクとは要するに、レベル1の状態で自動生成されるダンジョンに入り、敵と戦い、アイテムをかき集める……というジャンル。ダンジョンの途中で死んでしまうとアイテムをロストするのはもちろん、経験値もすべて失って、再びイチから潜りなおさなければならない……という鉄のルールがある。この、“失敗したら終わり”という緊張感と、“くり返し遊べる”というシステムが、プレイ日記には向いている。
このほかにも、FPS(ファーストパーソンシューティング)や『PUBG』のようなバトルロワイヤル系のゲームも、プレイ日記には最適だと思います。……まあこれらは、オンラインゲームの括りですけどねw
プレイ日記に向かないジャンルのゲームは?
最後に、“プレイ日記に向かないゲーム”について書いておきます。
これはざっくりと、ふたつのパターンに分けられるかなと。
ストーリー重視のゲーム
先日発売されたばかりのプレイステーション4用ソフト『ジャッジアイズ』が話題になっていますが、僕のスタンスだとこのゲームは、プレイ日記には不向きです。パッと見、神室町を舞台にしたオープンワールドなので書きやすそうなんですけど、つぎの理由から僕にはかなりハードルが高く見えます。それは、
・ストーリー重視のゲームなため、プレイ日記を書くと“ネタバレ”が混入する可能性が高い
から。一般の方が書く場合はさほど問題にならないのかもしれませんが、一応メディアの看板を背負っている以上、ネタバレになるようなことは厳禁です。ですので、何か書くにしても企画がらみか、
サブの部分ばかりを突く感じになるかのかなぁ~。
同じ理由で、アドベンチャーや謎解き系のゲームは不向きかと思われます。
パズルゲーム
僕は6年半も前から『パズドラ』のプレイ日記を連載し、その回数は700回にもなろうとしていますが、はっきり言ってパズルゲームはプレイ日記には向いてません!!w だって、基本的には自分ひとりで、黙々とパズルをするのが目的なんだもの。この連載もスタートしたときは、
「20回も書ければ奇跡だなwwww」
なんて言っていたんですからねw
ではなぜ、『パズドラ』ではそんなに書けているのか?
僕はここで前述の“他のプレイヤー”という調味料を使いました。自分のことだけでなく、山本プロデューサーや中目黒目黒といった周辺の人を巻き込んで、
“パズドラを中心とした全体の景色”
を、プレイ日記として発信していこうと思ったんです。なので『熱血パズドラ部!』にはゲーム中のことだけでなく、酒を飲んだときに出た話とか、100%妄想だけで書いた話……なんてものもゴマンと登場します。『パズドラ』というゲームそのものがすばらしかったので、なんとかいっしょに盛り上げたいと思い、あらゆる手段を使って連載を継続してきました。最近、更新が滞りがちなので、また気合を入れて書かないとなw
結論! まずはゲームジャンルを選ぶこと
長々と書いてしまいましたが、プレイ日記に向いているジャンル、向いていないジャンルは確実に存在します。でも、最後の『パスドラ』のところでも書いたように、ゲームのまわりにあるものを巻き込むことで“化ける”プレイ日記もあると思います。なので結論としては、
“向き不向きは、間違いなくある。でも、最終的には「書いてみなけりゃわからない!」”
かなとw
さて次回からは、実際に文章を書く上でのコツ、ノウハウを解説したいと思います!