【逆鱗日和W】第59回:生命の粉塵は貴重品! ……のはずが

【モンハンワールド:アイスボーン】逆鱗日和 第59回

……まだ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』の手前の話w

ある日のこと。

“ハンターの紋章が浮かんだ女”ことたっちーと、またまたいっしょに狩りに行ったときのお話であります。

テオ・テスカトルに挑む!

確か……上位のテオ・テスカトル討伐に行ったときのことだと思う。

テオはご存知の通り、数いる古龍の中でもとくに冗談が通じないヤツで、一度怒らせてしまうと手の付けようがないほど大暴れをしてくる。

「まあまあ^^; テオさん、ちょっと落ち着いて^^;;;」

となだめようとしても、

「あ゛あ゛っ!!? あんだオイこらこの野郎!!!」

ってんで、まったくもって話しを聞いてくれなくなる。言ってみれば全盛期のスタン・ハンセンやブルーザー・ブロディを彷彿とさせる“人外感”を出していて、できることなら遠巻きに見るにとどめて近寄りたくない存在なのである。

そんなテオ・テスカトルも、ハンターである以上、狩らねばならない時がやってくる。それが……テオなんて存在すら知らず、しかもガードができない双剣しか使えないたっちーであっても、だ。

なので俺は密かに、入念な準備をしていた。

自分用の回復セット(回復薬、回復薬グレート、秘薬)はもちろんだが、たっちーが追い詰められたときに使うために、イチからリスタートした俺にとっては貴重な“生命の粉塵”も、カバンに3個忍ばせたのである。

生命の粉塵の効能

そして始まったテオ・テスカトル討伐だが、俺が思っていた以上に、たっちーはうまいこと立ち回っていた。テオの動きなんてまったく知らないくせに、奇跡のカンでヤバい攻撃を避けまくり、致命傷を受けぬまま動き回っている。

「うひょーーー!! やっぱ狩人の紋章パワーはすげえな!! まったくやられる気がしねえ!!!」

調子に乗って、あの屈強なテオを相手にヒットアンドアウェイの立ち回りをするたっちー。どちらかというと、ガチガチにガードを固めている俺のほうがジワジワと削られていって、体力がヤバくなっていたくらいだ(苦笑)。

それでもやはり、テオは古龍を代表するパワーファイターである。

それまで華麗と言っても過言ではない動きでテオの攻撃を避けていたたっちーだったが、スタミナが切れたところを狙われ、一瞬で青色吐息になってしまった。

「あ、アカン!!!」

たっちーが悲鳴を上げるが早いか、俺はすかさず生命の粉塵をバラ撒いて危機的状況から救ってあげた。

「お!! 何やら、すがすがしい風が……!」

優しい粉に包まれ、体力を回復する俺とたっちー。でもけっきょく、テオを追い詰めるうちにこっちも体力が危うくなって、どうにか討伐したころには生命の粉塵は空っぽになっていた。貴重品なので大事にしたいところだったけど……ま、クエストを完了できたのでヨシとしておこう!!

なんでそんなに持っているのか

そして俺たちは、アステラに凱旋した。

「よしよし!! 余裕余裕!!!」

意気上がるたっちーはそう言うと、急に「あ、そういえば」と何かを思い出してアイテムボックスのほうに走っていった。「ん?」と思いながら様子を見ていると、たっちーは顔を上げて↓こんなことを言った。

「なあなあ、ピンチになったときにキミが使っていたアイテムって……生命の粉塵ってヤツ?」

俺は頷いた。

「そうそう。いっしょに狩りをしているメンバーの体力が回復するアイテムな。貴重品だから無駄遣いできないんだけど……テオが相手なら、仕方ないやろ!!」

するとたっちー、急に思案顔になって「貴重品……」とつぶやいたあと……信じられないことをのたまったではないか!!!

「ふーん……。……でもわし、そのアイテム、2800個持ってるけど^^;;;

一瞬、俺はこの発言をスルーするところだった。

「へー……。にせんは」

そこまで言ったところで俺は石仏となり、きっかり5秒は心臓も止まって三途の川を渡りかけた。しかしどうにか引き返すと……腹の底から、驚きの声を発したのであった。

「に…………にせんはっぴゃっこ!!!!?!? せせせ、生命の粉塵が2800個もあんの!!!?!? どどど、どないなっとんねん!!! 貴重品やぞ!!! セレブのアイテムやぞ!!!」

人はナゼ興奮すると、エセ関西弁になるのだろうか。

俺の発言を受けて、たっちーは事も無げに応えた。

「どないって、あるものは仕方ないやろwww」

そして、「あ、わかった」と言って、そのカラクリを語ったのだった。

「これ、狩王決定戦の練習で、闘技大会に入り浸っていたときの報酬やwww 何百回もくり返し同じことをやっていたから、こんな数になってしまったんやwww」

あ……! そ、そういえば俺も、旧データのときにもらっていたような……。

俺が「イチからやらなければ、俺も粉塵大臣だったのか……」と震えていると、たっちーはつぎのようにトドメを刺したのである。

「とにかく、わしが無限に生命の粉塵を持っていることはわかったw これからピンチになったら粉塵使ってやるけん、大いにモンスターに突っ込みたまえwww

粉塵ひとつで、こうも立場が変わるものか……(((;゚Д゚)))

続く。