『ミストオーバー』が楽しすぎて激しく評価するレビュー記事

『ミストオーバー』が楽しすぎて激しく評価するレビュー記事

 

アークシステムワークスから、10月10日にダウンロード版の配信が始まったプレイステーション4、Nintendo Switch用ソフト『MISTOVER(ミストオーバー)』が…………思っていた通り、めちゃくちゃ好みで楽しい!!

ミストオーバー1

この雰囲気!!

この儚さ!!

このやり込み度!!

そして、このマゾさッ!!!

どこを取っても、「大好物!!><」以外の言葉が出てきません。いやあ……たまらんわこのゲーム……(うっとり)。

ちょうど1年前に、ローグ×ダンジョン×RPGの超良作、Darkest Dungeon(ダーケストダンジョン)』を激賞する記事を書いたのだが、

もしもアレを読まれて『ダーケストダンジョン』をプレイし、まんまとハマった人には、とくにオススメします。この記事を読んで『ミストオーバー』の魅力の一端に触れて、読み終わったらダウンロードすることを激しくオススメ!!

前から注目していたけど……

じつは『ミストオーバー』に関しては、ゲーム誌(ファミ通だったような気がするが定かではない)に第一報が出たのを読んだ瞬間に、

「あ。これ、絶対に俺が好きなやつだわ」

と直感し、ファミ通の元部下でアークシステムワークスと親しいT泉という男に速攻で連絡したのである。

「この『ミストオーバー』ってゲーム、絶対に俺の好みだから、アークの人を紹介して!」

とメールに書いて。するとT泉は、面倒くささが隠しきれない、ひと言だけの返事を送ってきた。それが↓こちら。

「うぃっす」

どうせまた、二度寝寸前のオオアリクイみたいな格好でこのメールを打ったんだろうなぁ……と俺は悟った。そして実際、いまに至っても、俺はアークシステムワークスの人を紹介してもらっていない。

体験版じゃわからない要素満載!

さて『ミストオーバー』に関しては、現在体験版が配信中である。そしてもちろん、俺も配信されたその日に(確か東京ゲームショウの初日だった)ダウンロードして遊んでいる。

しかし誤解を恐れずに言うなら、現在の製品版の楽しさを100とするなら、体験版で感じられる『ミストオーバー』の良さは12程度しかないと思う。というのも体験版は、時間内にダンジョンをクリアーする……という、じっくり考えて行動したい『ミストオーバー』のゲーム性とぶつかる仕様になっているので、本質的な楽しさに到達する前に終わってしまうのである。なのでもしも、体験版を遊んで、

「なんか……楽しさがわからんな」

と思った方も、ぜひこの記事を最後まで読んでいただきたい。『ミストオーバー』に対する見方を、一変させますので。

戦略的な戦闘とギミック満載ダンジョン

前置きが長くなってしまった。ここからが記事の本編であります。

『ミストオーバー』はジャンルで言うと、ローグライク(自動生成のダンジョンを行ったり来たりしながらアイテム集めやクエスト遂行をし、ゲームオーバーになるとヒドいですペナルティーがあるゲーム)なダンジョン探索ゲーム……と言ったところだろうか。公式が発表しているゲームジャンルは、

絶望と解放のローグライクRPG”

となっているので、まあ当たらずも遠からずだろう。

ゲームシステムはそれほど奇をてらったものではなく、ある意味、この手のゲームのセオリーに則ったものと言っていい。ざっとスクショを交えて紹介すると、

まずは、街でダンジョン探索の部隊を編成する。

ミストオーバー2
街には、アイテムを売り買いするショップ、キャラクターを雇用する調査本部、スキルを身につけられる訓練場、クエストにあたる依頼を受けられる執務室など、たくさんの施設がある。

ミストオーバー3
部隊編成画面。最大5人でパーティーを作る。キャラクターを配置する場所によって戦闘中の戦術が恐ろしいくらい変化するので、よ~~~く考える必要が出てくる。

部隊を編成したら、ダンジョンの探索に赴く。

ミストオーバー4

ダンジョン内は、見やすい見下ろし型の2D表示。『トルネコの大冒険』や『風来のシレン』などで日本産ローグライクを好きになった人には、いちばんわかりやすい画面と言える。

そして、敵と出会ったら戦闘に。

ミストオーバー5
ミストオーバー6
ミストオーバー7
ミストオーバー8

戦闘は、ターン制のコマンドバトル。パッと見、昭和の匂いすら感じられるレトロなレイアウトだが、ここから生まれる戦略バトルが……たまらなく楽しいのよ!! 味方の配置場所、そして敵の配置場所によって使えるスキルが変わり、なおかつ、使うスキルや喰らう攻撃によっても戦略が変わってくるので、ザコ戦であっても気が抜けないのだ。

ダンジョン内には、宝や罠、いろいろなギミックがある。

ミストオーバー9
宝箱は、箱と同じ色の鍵を見つけないと開けることができない。

ミストオーバー10
何が出てくるかは、開けるまでのお楽しみ。トレジャーハンティング的な楽しさも、『ミストオーバー』は大きい。

ミストオーバー11
クラスごとにリーダースキルが設定されている。たとえばパラディンは、ダンジョン内にある壊せる障害物を破壊することが可能。……ただし、破壊には労力を要し、味方のHPが若干犠牲になる。

ミストオーバー12
罠もじつに多彩。食料が尽きて満腹度(後述する)が心もとない……なんてときに限って、満腹度が15%減少なんていう、神も仏もないような罠が発動したりする。

宝や罠に一喜一憂しつつ敵との戦闘をこなし、キャラを成長させながらクエストの遂行を目指す……という、非常にオーソドックスでわかりやすい仕様なので、そういう意味ではとっつきやすいゲームであろう。覚えることは少なくないが、繰り返しダンジョンに潜っていれば徐々に馴染んでくるし。

しかし……!

冒頭に記した通り、このゲームは……儚いのだ!! そして……近年のゲームには稀なほどマゾいのである!!

アイテムマネジメントが生死を分ける!?

まず第一に、ダンジョンに潜ったときの約束事として、このゲームには満腹度光輝度というパラメーターがある。歩いたり、モノを壊したりと何かしらの行動をすると数値が減っていってしまい、ゼロになると体力が削られていく……というものだ。プレイヤーはつねに満腹度と光輝度に気を配りながら行動しなきゃいけないってわけ。

ミストオーバー13

……って書くとおそらく、

「だったら食料なり、灯りなりを大量に持ち込んで、減ったら使えばええやん」

という意見が出てくると思う。俺も、そう思っていた。

しかし、このゲームはそんなに生半可じゃないのだ。

確かに、食料も灯りも持ち込むことはできる。しかし大前提として……街で売っている食料と灯りは高い!!こっちの弱みに付け込んで、ハンパじゃない高値で売られているのである!! なので新鮮な(これにも意味がある)食料なりを持ち込むことが、まず難しい。

でもそこそこお金を持つようになれば、新鮮な食料を買うことはできるようになる。そこで、たとえば食料を10個、ダンジョンに持ち込んだとする

小さなダンジョンだと、マップのいたるところを歩いても食料を10個も消費しないだろう。半分も使っていればいいほうだ。そこで、

「よーし、残りのお弁当は、つぎの冒険のときに持っていこーっと^^」

ってことで、街に持ち帰るのがセオリーだと思うのだ。

ところが。

このゲームはダンジョンに落ちていたものを街に持ち込もうとすると、その瞬間に……汚染される!!wwwつまり、腐っちまって使い物にならなくなるのである!!www

もちろん、汚染されていても使おうと思えば使えるのだが、そうすると、

ミストオーバー14

ふ、副作用が出るねん……((((;゚Д))))それも、けっこう痛いやつが……((((;゚Д゚))))

『ミストオーバー』では、何でもかんでも持ち込んで解決すればいいや……という、ありがちな力技が通用しない。ダンジョンの大きさ、パーティーメンバーの構成、その実力……なんてところまで考慮して、ちょうど使い切るくらいのアイテムを持ち込まなければいけないのだ。“所持品マネジメント”も考えないと、『ミストオーバー』では速攻で金が底をついて、ギリギリの生活を強いられるようになるのである。

失った仲間は……二度と戻らない!!

そして、『ミストオーバー』がマゾい最大の要員が、

ダンジョン内で死んだ仲間は復活できない

という完全ロストの約束事!!初めて『ファイアーエムブレム』をやったときと同じ恐怖を味わわせてくれるのよ!!w

「よーし、この子はがんばって育てるぞ^^」

と決めた子に限って、不慮の死を遂げる。

ミストオーバー15
ミストオーバー16

シャドーブレードが死んじゃっております……。もうこの子、復活しません……

ミストオーバー17死亡した仲間がつけていた装備は、持って帰れたとしても呪われているというwww

そしてこうなると、もう二度と復活してくれない……。

もちろん、HPがゼロになったとたんにロストするわけではなく、完全に消えるまでに回復できれば踏みとどまれるのだが、たとえばメンバーが出血していることを見逃していてダンジョン内を彷徨い、突然、

「ブシュン!!」

と完全ロストしてしまったときの衝撃たるや、筆舌に尽くしがたいものがある。なのでプレイヤーは、

・満腹度、光輝度のマネジメント
・所持品マネジメント
・メンバーのHPマネジメント

↑これらをつねに頭に置いておかないと、円滑なダンジョン探索は実現しない。逆に言えば、そこまでキチンと気を回すことに楽しさを見いだせるなら、こんなに楽しいゲームもなかなかないと思う。

……あ。もうひとつあった。

たとえばお金稼ぎやキャラ育成だけをしたくて、ダンジョンに入ってほんのちょっとだけ探索して、街に帰還したとする。ふつうのRPGだったら、ごくふつうにやってしまう行動だがね。

……このゲームは、それすら許してくれないのだ!!www

そういうテキトーなこととすると、↓この時計が進む。

ミストオーバー18
ミストオーバー19

人類滅亡までの時間を記した、終末時計ってあるでしょう? 世界で致命的な事象が起こると、針が進んでしまうってやつ。それと同じようなものが『ミストオーバー』には設定されていて、

・マップをキチンと探索していない
・開けていない宝箱がある
・モンスターが残っている

こんな中途半端な状態で街に戻ると、時計の針が進んでしまうのよ!!

「だ、誰かしらが、俺の行動をチェックしている……」

ということを意識して、マジメに探索しないといけないのだw

結論! マゾゲーマーは一度体験すべき!

ダラダラと書いてしまったが、これだけじゃ『ミストオーバー』の魅力の一端すら伝えられた気がしない。

「ただのマゾゲーかよwwww」

と思われても困る。

マゾいのは間違いないが、ローグライク、トレハン、育てゲー……なんていうキーワードにピクリとしてしまった人は、とりあえず体験版でいいからプレイしてほしい!……いや、この体験版じゃ良さがほとんど伝わらないと思うけど、それでも、雰囲気だけはわかると思うのだ。

もしかしたら何度か、『ミストオーバー』のことを記事にするかもしれません。それを通じて、このゲームの啓蒙活動ができればなと思う。

おしまい。

ミストオーバーの公式サイトはこちら