【RDR2プレイ日記】第4話 LR不明症候群

『レッド・デッド・リデンプション2』プレイレビュー 第4話

『レッド・デッド・リデンプション2』に限った話ではないが、この手の規模の大きいアクションゲームはやたらと、コントローラーのボタンを使う。まあこれ、連載の第1回目でも書いたが最終的には慣れの問題で、不自由ながらも続けていればスッと腑に落ち、文字通り手足のようにコントローラーを操作できるようになる。

……はず。

前回の日記“第3話 ホーンデビル、万事休す”でも触れたのだが、俺はいまだに操作に慣れず、いろいろな場面で難儀している。うーん、歳を取るってツラいね。

とくに最近、俺を悩ませているのが“LR”だ。……そう、左右です。ホゲホゲのんびりと荒野を散策していたらいきなり、

「L2で投げ縄を準備して!!!」

なんてメッセージが出やがっても、瞬時にLがどっちでRがなんだかわからないので、操作に至るまでに数秒の時間を要してしまうのである。アクションゲームにおける数秒のロスは、まさに致命的。コレのせいで何度、俺は獲物を逃してきただろう。

この“とっさに左右がわからなくなる現象”、じつは悩まされている人は多い。正式な病名ではないが“左右盲”、“左右失認”という言葉があるくらいで、俺の身近なところでは、ファミ通App編集長の中目黒目黒がかなり強度な左右失認を患っている。目黒によると、

どちらが右でどちらが左なのかとっさに判別できないので、人と会話をしていても詰まってしまうことがよくあります。俺が言葉に窮しているときはたいがい、頭の中に茶碗を持つ手と箸を持つ手が現れていて、“箸を持っているほうが右だから……こっちが右だ!!”というやり取りをしているんです……」

なんてことになるらしい。ここまでくると、生活にも支障をきたしそうではないか。

ここでよく考えてみると、俺はそこまで顕著な左右失認にはなっていない気がする。少なくとも右は右、左は左と認識できているし、目黒のように思考停止に陥ることもない。バイクを運転しているときも、右折と左折の区別はキチンとついているしな。しかし、ゲーム中では明らかに、LRの判別に四苦八苦してしまっている。これはいったい、なんなんだ?

たとえば、

「L2長押しで投げ縄を構えてコルムの手下を狙う」

チュートリアル的にそう言われたものの、俺は瞬時にL2を押すことができなかった。……これを書きながらも、

(Lって……どっちだっけ???)

と悩んでいるし。

俺は考えた。

これ……もしかして“Lボタン”、“Rボタン”なんて名前ではなく、きっぱりと日本語で、

“左ボタン”、“右ボタン”

という表記だったら、間違えないのではなかろうか?

ちょっと想像してみよう。

馬に乗って掛けるアーサー……。前方を、コルムの手下が逃走している。殺してはならぬ。生け捕りにしないと! そこで間髪入れず、画面にメッセージが!

「左2長押しで投げ縄を構」

ぴゅん!!

メッセージを見終わる前に、俺のアーサーは投げ縄をブン投げていた。ほぼ無意識レベルのスピードであった。人間の意識は0.5秒後にやってくると言うが(まあバキの知識だがな)、意識よりも早く行動してしまったくらい、“左ボタン”という単語はしっくりと来た

こうなってくると、俺はもはや左右失認とは言えないだろう。右と左は、完全に認識できているのだから。

「じゃあなんで、LRになると混乱するんだ……??」

しばらく考えたのち、俺はひとつの結論に達する。

……なあんだ、そうか。じつにじつに、単純なことだったんだな……。俺はため息とともに、濡れた声を吐き出した。

「俺、いまだに、“LEFT”と“RIGHT”がごっちゃになるんだよな……。LEFTって表示を見ると必ず、“えーーーーーっと…………LEFTって…………左か。そうか左だよな”って、3秒くらい考えるし」

そして、結論付けた。

「左右失認と違って、俺の“LR失認”は英語ができねえだけじゃん……。は、ははは、はは……」

随所でLRの判断を求められる(大げさだな)『レッド・デッド・リデンプション2』。苦難は続きそうである。

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