【RDR2プレイ日記】第12話 深き森のスカベンジャー

『レッド・デッド・リデンプション2』プレイレビュー 第12話

先週から今週にかけて、ここ1年でもっとも原稿が立て込んでしまったため、『レッド・デッド・リデンプション2』のプレイ日記をまったく更新できなかった!! まだちょっと落ち着いていないんですけど、ぼちぼちペースを戻していこうと思っておりますので、読者の皆様は気長に更新を待っていただけると幸いです!

さて、そんな本日は短い小ネタを。

その日、俺はいつものように愛馬に跨って、見知らぬ土地でツーリングを楽しんでいた。この、まったく知らない場所をのんびりと流すの、ちょっとした不安と、同じくらいのワクワクと恍惚があってたまらなく好きである。それはゲームの世界もリアルでも同じで、初めて来た土地でバイクを走らせているとき、俺はいつでも道草ができるよう、なるべくゆっくりと流すようにしている。競馬で言うところの“キャンター(駈足)”くらい。これだと、何やらおもしろいものや景色のいい場所を見つけたとき、ホイホイと立ち寄れるのだ。

さて、その日の俺もキャンターで、ホースシュー高台から見て東の地域を走っていた。

天気は、気持ちのいい快晴。

その直前まで北の大地を走っていて、身体が芯まで冷えてヘロヘロになっていたので(寒い地区に長居する場合は、防寒着がないと身体にダメージが及ぶのよ)、太陽から注ぐ暖かい陽光はなによりの御馳走だった。

こういう、気分がアガる天気のいい日は、何かとラッキーなことが起こるものでな。

しばらく森の中の道を、「森林浴森林浴^^ 森のイオンも御馳走だー^^」なんて、およそ痛風のアラフィフ男とは思えないセリフを発しながら走っていると、道端に見慣れぬ物体が落ちているのを見つけてしまった。

こういうとき、猛スピードのギャロップで突っ走っていると急に止まれず、

「ま、いっか!! びゅーーーーん!!!

なんて、気になるものもスルーしてしまいがちだが、こちとらいつでも止まれるのんびりツーリストである。

「ん?? アレはなんだ??」

馬を止めてやっこらせぇと降り、その物体に近づいていって覗き込んだのでありました。

見るとそれは、馬の死体であった。

それも、そのへんでメスの尻を追い回している頭の悪そうな駄馬とは違い、キレイにそろえられた毛並みも美しい、由緒正しそうなお馬さんである。そんな馬が、なんでここで死んでいるんだろう……? もしかして、誰かがここで交通事故を起こして死んでしまったのだろうか? 意外とこの時代、正面衝突の大惨事も多いみたいだしな……。俺も巻き込まれたことがあるし……。

「まあ俺の場合は、自分のわき見運転が原因の事故だったけどネ。ははは」

自虐的に笑いながら、俺はさらに、馬の死体に近づいた。するとあろうことかコントローラーがブルルと震え、以下のメッセージが表示されたではないか。

・剥ぎ取る

俺はつぶやいた。「ナルホド」

『レッド・デッド・リデンプション2』では、自分が仕留めた動植物でなくても、それが手に触れられる状態であるなら基本なんでも剥ぎ取りやら持ち帰りができてしまう。それが、たとえキツネが食い荒らした腐ったヒツジの肉でも、

「……キツネのご飯ではあったが、まだ残っているようだし」

ってんで、腐肉を剥ぎ取れるのだ。……なんでこんなことを知っているかと言うと、実際にキツネの食い残しの腐れヒツジ肉を持ち帰ったことがあるから(苦笑)。

そんな、スカベンジャーと化した俺の前に、新鮮な馬の死体がある。となれば、やることはひとつしかない。

「労せずして、馬肉が手に入ってしまった^^ 今夜は馬刺しで1杯引っ掛けるかな^^^^」

せっせと馬の肉を剥ぎ、「馬刺しだ馬刺しだ^^」とニコニコ顔で馬に跨って、俺は再びポクポクと歩き出した。今日はこのまま、ホースシュー高台に戻ろうか。

で。

しばらく馬を走らせたところで、俺は妙な人に出会った。

む……。こんな森の中で、彷徨う老婆に出会うとは……。なにやら、心霊系の臭いがする……。大丈夫かな……。

若干ビビりながら老婆に近づくと、彼女は意外なことを口走った。

「そこの人! 牧場まで乗せてくださらない??」

俺、ビビりから一気に警戒モードになる。「デタ!!! 美人局や!!!」

こういうとき、『レッド・デッド・リデンプション』シリーズでは往々に犯罪が起こる。たいがいは、助けを求めてきた女性にデレデレになったところで、

「はいはい、そこのおにいさん。勝手にウチの女に手を出しちゃいけないねえ」

なんてチンピラが登場する“美人局”だ。前作でさんざんその手に引っ掛かってきた俺は、警戒を緩めなかった。しかし、つぎのひと言で、瞬時に懐柔されてしまったのである。

「馬が死んじゃって、足首を捻ったの」

う、馬が死んだ……?( ゚д゚)

なんとなくその言葉に引っ掛かった俺は、ばあさんを乗せてあげることにした。

聞けば彼女は、近くにあるエメラルド牧場で働いているとのことで、そこまで送ってほしいらしい。なんとなく後ろめたさがあったので了承し、ばあさんを乗せて走り出した。

そして語られる、馬との思い出の数々……w

「あの馬は、本当に賢かったの」

 「私の、唯一の友人。悪漢から守ってくれたこともあったのよ」

 「そんな馬を死なせてしまって……」

 「あなたも見たでしょ? キレイな馬だったのよ……」

 「嗚呼……>< キチンと弔ってあげたいわ……」

うわあああああ!!!>< 剥ぎ取りして悪かったよぉぉおおお!!!><

画面に向かって、土下座の勢いで平謝りする俺。しかしばあさんの目には届かず(当たり前だが)、

「親切に、ありがとう^^」

ばあさんはそう言って、愛馬を馬刺しにしたスカベンジャーにトドメを刺したのだった……。

おしまい……。

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