『レッド・デッド・リデンプション2』プレイレビュー 第5話
いくつかのお仕事をこなし、雪の大地を抜けて、新緑の丘の上に居を構えるころになると、かな~り自由にそこらを駆け巡ることができるようになる。
さあ、ここからが本番だ。
ストーリーを追うのもヨシ、賞金首を追うのもヨシ、クマを追うのもよし、そのすべてに追われるのもヨシ……という、『レッド・デッド・リデンプション』シリーズの“醍醐味の時間”が始まるのだ。
この世界で、プレイヤーは自由だ。
掛け値なしに、何をやっても許されるので(強盗とか盗みをしたら、許してくれない人がワラワラと出てくるけどな)、ストーリーの切れ目に入ったらさっそく、散策に出掛けることをオススメします。
「さあ、まずはお花でも摘もうかしら^^」
ヒゲ眼鏡のおっさんが操るヒゲのスカーフェイスのくせに、真っ先にやったのは“採取”だ。
ここは、開拓時代末期のアメリカ西部。コンビナートもビル群もなく、インターネットも到来していない、むかしむかしの大地である。当然、自然はほとんど手付かずで、道を外れればうるさいほど、薬草や香草のたぐいが群生している。これらを見逃さず、ブチブチとむしってカバンに詰め込んだ。あとでアレコレと調合して、薬を作るのだ。いまはそれほど必要としていないけど、きっと役に立つときがくるだろう。
しばらく、コントローラーが震えるたびにブチブチと草をむしっていた俺だったが(採取できる草が近くにあると、コントローラーが震えて教えてくれるのだ)、やがて飽き、再び馬にまたがって走り出した。前作『レッド・デッド・リデンプション』では、広大なマップの隅々まで……それこそ所、番地が頭に入るくらい遊び込んだが、いまは見る場所すべてが新鮮だ。じゃんじゃん寄り道して、面倒ごとに首を突っ込んでいこうと思う。
そんな、ツーリングのさなかのこと。
豊富な水量を誇る川のほとりに、人がいるのを発見した。
「あれは……」
老眼を懸命にピント調節し(泣ける)、焦点を合わせる。
「なんだ。立ちションか」
マジでそう思って立ち去ろうと思ったが、なんとなくの胸騒ぎを覚えて近寄ったところ、立ちションじゃないことが判明した。
あれは……釣りだ!! 釣りをしているんだ!!
まあ、そりゃあそうだよな。これだけキレイな川や湖があるんだもの。釣り人がいないと思うほうがおかしいんだよな。
となれば、生来の釣り好きの俺。つぎのように確信した。
「あのおっさんは間違いなく、釣りのチュートリアルキャラだな!! 彼に話しかけることにより釣りがアンロックされ、魚を釣ることができるようになるのだろう!!」
確信しているのだから、行動は早い。俺は釣り人に近づいて、気安く声を掛けた。
「へーい!! いい天気だね!」
しかし、言葉とは裏腹。
何を思ったのか我が分身のアーサー、やおら銃を引き抜くと、その凶悪な銃口を釣り人に向けたではないか!!
俺、ひっくり返るほど驚いた。「な、なに銃向けてんねんコイツ!!!!??」。
いや、自分がやったんだろ自分が。ここでも、前回のブログに書いた“LRの悪夢”が生きているんだよな……。
まあでも、間違いは誰にでもある。俺は銃を下すと、軽薄に釣り人に謝った。画面に向かって、リアルボイスでな(笑)。
「いや~、ごめんごめんwwww 間違えて、撃ち殺すところだったよwwwww」
俺の言葉に反応したのか、釣り人が竿を捨てて駆け寄ってきた。その傍らに、相棒と思われる賢そうな犬がいる。
「あ、犬を連れて釣りしてたんだ^^ いいね~^^ 平和」
いい終わらぬうちに、俺の顔が弾け飛ぶ。
▲とっさのことで、いいスクショが撮れませんでした^^;
ガンガン!! ガシッ!! ガシッ!!!
釣り人の鉄拳が、何発も俺の顔面に食い込んだ。そして足元を見れば、釣り人がつれていた犬が執拗に噛みついてきているではないか! 俺、泡を吹いてわめいた。
「な、なんだよオマエ!! きゅ、急に殴りかかってくるとか、どうかしてるぞ!!」
急に銃を向けた自分の悪行を差し置いて、おろおろとうろたえる俺。しかし、釣り人も犬もまったく聞き入れてくれず、攻撃の手は強まるばかりである。
「や、やめ! な、何があったんだよ!!」
銃で殺されそうになったんだよ。
仕方なく、俺も拳を構えて反撃を試みた。しかし、イニシアティブを取った釣り人と犬の攻撃は執拗で、まったく歯が立たない。なんなんだコイツらは! とくに、犬がうぜえええええ!!! とんだバカ犬だよコイツ!! あっちいけ!! シッシ!!
俺、けっきょく1発も反撃できぬままボコボコにされ、ほうほうの体で逃げ出すことに。そして逃げながら、周囲に向かって絶叫したのだ。
「ご、強盗!!! 強盗が出ましたーーーー!!! あいつら強盗です!!! ノックアウト強盗です!!! 川に近づいちゃいけません!!! 殺されますよ!!!!!」
自分が原因のいざこざだったことは完全に頭から消え、俺は血まみれになりながら、
「ご、強盗!!!! あーこわい!!!!」
と、叫び続けた。
おしまい。